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2009年2月

2009年2月27日 (金)

労働契約法(10)

第7条 労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則に定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条(就業規則違反の労働契約)に該当する場合を除き、この限りでない

随分と、長い条文ですね。

この条文については、今回だけでは説明が長くなりすぎるので、数回に分けて説明することにします。

まず、「就業規則」って、そもそもな~に?

多数の従業員を雇用する企業においては、各従業員の労働条件を個別の契約で詳細な定めをすることが困難であります。

また、全従業員の労働条件を公平に定めておく必要があります。

そこで、多数の従業員を雇用する企業においては、「就業規則」を制定し、従業員の労働条件を統一的に定めることが行われています。

もとより、労働基準法では、「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、労働基準監督署長に届け出なければならない。」 と規定して、就業規則の作成と届出を法律上義務付けています。

「就業規則」の作成においては、従業員の意見聴取が義務付けられてはいるものの、従業員の合意までは要求されておらず、事実上、使用者側が一方的に作成することができます。

しかし、いくら使用者側に一方的制定権が認められるからといって、やはり権利濫用は認められません。

そこで、条文中でも、「・・・合理的な労働条件が定められている就業規則を・・・」 と謳っています。

つまり、不合理な内容の就業規則は法的に効力は認められない・・・といっているのであります。

したがって、職場のルールブックともいうべき「就業規則」が法的な拘束力を持つためには、「内容の合理性」が認められなければならないということであります。

次回に続く・・・・。

乞うご期待! good

2009年2月26日 (木)

労働契約法(9)

第6条 労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する

一般に、「契約」は、当事者同士が合意すれば、成立します。

契約書のような書面を交わすことは、必要条件とはなっていません。

労働契約も、同じです。

企業の求人募集に対して、労働者が応募し、企業が採用内定通知を行えば、その時点で、労働契約が成立します

ただ、合意のみによって成立するとはいっても、「労働時間は?」とか、「賃金は?」とか、具体的な労働条件が明確でないと、労使間でトラブルが起きてしまいますよね。

次回は、労働契約の重要な要素である「労働条件」の定め方に関して、お話します。

乞うご期待! good

2009年2月25日 (水)

労働契約法(8)

第5条       使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

仕事をする上で、使用者は労働者を、生命、身体等に及ぶ危険から保護するよう配慮する義務がある。

「生命、身体等の安全」には、心身の健康も含まれる。

ケガをしないよう配慮することはもちろんですが、病気にならぬよう、また、働きすぎで鬱病などの精神疾患にならぬよう、あらゆる角度からの配慮が求められます。

長時間労働によって精神疾患を発症し、労働者が自殺した事件で、会社側の安全配慮義務違反を認め、会社側に損害賠償が命じられた判例もあります

なお、労働者の安全と健康について事業主の講ずべき措置を具体的に規定した法律に、労働安全衛生法があります。

ただ、労働安全衛生法は、あくまで最低基準ですので、これさえ守ればいいというのではなく、より広範な配慮が求められます。

人を使って仕事をするって、本当に大変ですよね

( ̄○ ̄;)!

2009年2月24日 (火)

労働契約法(7)

第4条第2項 労働者及び使用者は、労働契約の内容について、できる限り書面により確認するものとする。

人間は、忘れる動物です。

口頭で、いくら説明されても、半分以上は右の耳から左の耳へ抜けていってしまいます。

だから、

「 このあいだ、説明したでしょ?! 」 Σ( ̄ロ ̄lll)

「 いや! 聞いてないよ! 」 ∑ヾ( ̄0 ̄;ノ

という、水掛け論になってしまうことがよくあります。

労働条件についても、口頭での説明だけだと、労働トラブルの原因にもなりますよね。

労働契約法第4条では、労働契約の内容について使用者は労働者に対して、<よく理解してもらえるよう説明>し(第1項)、さらには<書面によって確認せよ>と謳っているのです。

2009年2月23日 (月)

労働契約法(6)

第4条第1項 使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする

経営者の皆さん!  従業員を採用するとき、あるいは採用後も、労働条件(労働時間や休日・休暇、賃金など)について従業員にしっかりと理解させるよう、努力していますか?

労働トラブルの多くは、労働契約の内容(労働条件など)について、使用者側と労働者側の相互の理解にズレが生じていることに端を発しています。

使用者側 『 当社では、労働条件は、こうこう・・こうなっている・・・

労働者側 『 え~~っ、そんなこと聞いてないよ~。てっきり、これは、こうこう・・こうなっていると思ってた・・。』

なんてね。

そんな不毛なトラブルにならないよう、労使双方とも、お互いによくコミュニケーションをとって、労働条件について理解を深めておきましょうね!

2009年2月20日 (金)

助成金情報(1)・・若年者等正規雇用化特別奨励金

『 年長フリーター等(25歳以上40歳未満)を、正規雇用する場合 』

『 採用内定を取り消された方(40歳未満)を、正規雇用する場合 』

に、

中小企業には、100万円

大企業には、 50万円

が、国から支給されます。

詳しいパンフレットは、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/other34/seikiantei.html

いずれも、ハローワークに求人を出し、ハローワークの紹介により採用することが要件とされています。

今回は、ちょっと、助成金情報でした~・・・。

2009年2月19日 (木)

労働契約法(5)

第3条第5項 労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使にあたっては、それを濫用してはならない。

これは、「権利濫用の禁止」を謳った民法第1条第3項が、労働契約についても適用されることを表しています。

まあ、何事も人と人との関係は、相互の思いやりと信頼関係によって平和が保たれるものです。

これが、ひとたび、自己の権利に固執してしまい相手の立場を思いやる気持ちを見失ってしまうと、不毛なトラブルに陥ってしまうのです。

権利をやたらとふりかざすことなく、相手の立場を思いやる・・・・。

これは、労働契約に限ったことではなく、人間関係の基本であろうと思います。

2009年2月18日 (水)

労働契約法(4)

第3条第4項 労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。

労働トラブルの原因に、

1、契約内容を遵守しない。(己の義務を果たさない)

2、やたらと権利をふりかざす

というものが、多く見受けられるようです。

人間、ともすると自分にとって都合の良い方向で解釈しがちで、権利ばかりを主張しがちですが、

「権利」の裏側には必ず「義務」が伴っているということを忘れてはなりません

権利と義務は、バランスがとれていなければなりません。

「権利」を主張したくなったら、その前に「義務」を果たしたかどうかを、今一度省みてみましょう。

第5項においては、「権利濫用の禁止」が謳われていて、この第4項と関連があります。

それは次回に・・・・。

乞うご期待!

2009年2月17日 (火)

労働契約法(3)

“ワークライフバランス”って、知ってます?

文字通り、「仕事と私生活の調和」という意味ですよね。

労働契約法第3条第3項 労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。

日本人は働き者が多いといわれています。

しかし、一方で働きすぎとも言われています。

近年、働きすぎによるストレスが原因となって、過労死や鬱病による自殺が増加しています。

人間は、緊張状態ばかり続けていけるほど強くはありません。

緊張とリラックスの双方をバランスよく保ててこそ、健康でいられるのです。

健康な心身があってこそ、労働面でも力を発揮することができるのです。

この条文は、労働条件を決める際には、こういったことにも配慮せよ・・・と謳っております。

次回は、第3条第4項をみていきます。

乞うご期待!

2009年2月16日 (月)

労働契約法(2)

第3条第2項 労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする

わかりやすく表現すると、

「労働条件を決定したり、変更するときは、労働者の働き方に見合った労働条件を設定すべきである。」

という趣旨の条文です。

ありがちなケースとしては、

パートタイム従業員の待遇が、正社員の待遇に比べて、極端に低い・・・・などということが、よくあります。

無論、フルタイムで働き責任も重い正社員と、短時間しか働かないパート従業員を同じ待遇にはすることは現実問題として不可能です。

条文の「・・・就業の実態に応じて、均衡を考慮・・・」 というのは、

あくまで、“バランス”のとれた待遇を・・・と言っているのです。

パートタイム労働法という法律があります。

この法律においては、正社員とパート労働者が、まったく同じ働き方をしている場合には、単にパートだからという理由で、正社員との差別待遇をすることを禁止しています。

つまりは、「同一労働、同一労働条件」 が原則であるということです。

労務管理を行うに当たっては、“公平性の原則”を念頭におく必要がありますね。

その実践が、ひいては全従業員の仕事に対するモチベーションの向上につながり、生産性向上に結びついていくのです。 

次回は、労働契約法第3条第3項について、みていきましょう。

乞うご期待!

2009年2月14日 (土)

労働契約法(1)

年々増加する「個別労働関係紛争」。

最も多いトラブルは、「解雇」である。

2番目は、「労働条件の引き下げ」。

このようなトラブルを防止するために、労働関係の民事的ルールをまとめた法律が、平成20年3月から施行されている「労働契約法」である。

今回から、しばらくの間、「労働契約法」の逐条解説をしてみたいと思います。

まずは、「労働契約の原則」を謳った第3条。

第1項・・・労働契約は、労働者及び使用者が対等な立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。

なぜ、こんな条文が制定されたのでしょう?

当たり前すぎて、わざわざ条文にするまでもないのでは・・・と思われたかもしれません。

労働契約も、一つの「契約」ですから、当事者同士で自由に結べばいいわけです。

しかし、労働契約は、当事者が「使用者」と「労働者」なんですよね。

もともと“力関係”が対等ではありません。

ともすると、「使用者」の経済的・社会的優位性によって、「労働者」にとって不本意な労働条件で契約せざるを得なく可能性があります。

だから、あえて、契約当事者の注意を喚起する意味で、条文として謳っているわけです。

次回は、第3条第2項について、みていくことにします。

乞うご期待!

2009年2月13日 (金)

労働トラブルは、どうして起こるの?

労働トラブルの原因の多くは、

1、情報不足(法令知識の不足)

2、労使双方のコミュニケーション不足

などでしょう。

もちろん、この2つだけでなく、その他もろもろあるのですが・・・。

では、まず、情報不足、すなわち法令知識の不足について、考えてみましょう。

そもそも、法律って、なんのためにあるのでしょう?

社会の秩序を維持するため・・・平たく言えば、トラブルを防ぐためにあるのですよね。

しかし、逆に、法令遵守がなされていないために、かえってトラブルになっているケースも多い。

なぜ、法令遵守が徹底されないのでしょう?

その原因の最たるものは、法令の難解さにあると思います。

もっと、法律をわかりやすい表現にできないものか。

法律条文は、いざトラブルになり裁判になったとき、トラブルの中味を法律条文に照らして、あてはめ(解釈)を行い、違法・適法を判断する根拠になるわけです。

ですから、その表現が曖昧なものであれば、拡大解釈されてしまう危険性が広がり、かえってトラブル解決を困難にしてしまうおそれがあります。

そういうわけで、法律条文は、その表現に、より一層の正確性、精密性を持たせなければならない。

したがって、自ずと、難解な表現となってしまうというわけである。

では、次回からは、具体的に「労働法令」の内容をみていくことにしましょう。

乞うご期待。

2009年2月12日 (木)

労働トラブルをどう解決する?

いざ、トラブルになったとき、どう解決しますか?

法的トラブルの解決方法として、すぐに思い浮かぶのが、裁判に訴えることでしょうか。

しかし、裁判は、お金と時間と多大な労力を必要とします。

不当解雇や労働条件不利益変更のような労働トラブルを、簡易迅速に解決する方法として、都道府県労働局において行われる「あっせん」という制度があります。

この制度は、裁判と異なり、判決うんぬんではなく、トラブルの当事者どうしが話し合いによって解決するものです。

もちろん、トラブルの当事者同士を直接話し合わせるのではなく、当事者の間に、労働局で選任された「あっせん委員」が入って、当事者双方の意見を聴き、お互いの主張を歩み寄らせて和解にもちこむものです。

ただ、この「あっせん」という制度は、当事者のどちらかが応じなければ流れてしまうという弱点があることも否めません。

その他、労働審判など、裁判に行く前段階で迅速に解決するための制度はいくつかあります。

しかし、、、、、、、、、

そもそも、トラブルにならないように予防することの方が、より大切なんですよね。

では、労働トラブルにならないようにするには、どのようなことに気をつけていけばいいのでしょう?

次回は、そのあたりを、お話してみましょうか。  乞うご期待。

2009年2月11日 (水)

労働トラブルが起きたら・・・(労働基準法②)

労働基準法は、ただ単に労働条件の最低基準を定めているだけでなく、それを強制的に守らせるための仕組みがつくられています。

1、労働基準法の最低基準に満たない労働条件は、無効となり、労働基準法が定める最低基準に自動的に修正されます。

2、労働基準法に違反した事業主には、刑罰(懲役、罰金など)が課せられます。

3、労働基準法違反を取り締まるために、労働基準監督署が設けられており、司法警察権を持つ労働基準監督官が取り締まりに当たっています。

では、いざ、労使間で利害が対立するトラブルが起きたときに、労働基準法だけで解決できるでしょうか?

それは、NO・・・です。

労働基準法は、あくまで労働条件の最低基準を守らせることしかできません。

それ以外のこと(例えば、不当解雇、労働条件の不利益変更などの民事)には、口出しできません。  <労働基準監督署は民事不介入です。>

では、いざ、不当解雇(合理的理由・社会的相当性のない解雇)のようなトラブルが起きてしまったらどのように解決していくのでしょうか。

次回は、このあたりをお話してみましょう。 乞うご期待・・・・。

2009年2月10日 (火)

労働基準法①

Aさんという人が、甲株式会社に入社しました。

これを法的に表現すると、

「Aさんと甲株式会社との間に、労働契約が成立した」

ということになります。

「労働契約」は、当事者間の合意のみによって成立します。

契約書を交わすことは必ずしも必要とされていません。

しかし、当事者間の合意といっても、会社(以後、「使用者」という。)と労働者との間の力関係は対等なものではなく、社会的にも経済的にも使用者側の圧倒的優位性によって、労働契約の内容は使用者側有利になってしまい、労働者は嫌々でもそれに合意せざるを得ない立場に立たされてしまうことになりがちであります。

そこで、労働条件についての最低基準を定め、労働者を劣悪な労働条件から保護する目的で制定施行されているのが、「労働基準法」であります。

続きは、次回へ・・・。

2009年2月 9日 (月)

労働契約法って知ってます?

平成20年3月より施行されている、比較的新しい法律です。

この法律は、労使間のトラブルの原因の多くが、労働契約上の問題であることに着目し、労働契約についての民事的ルールをまとめたものです。

労働基準法とは異なり、あくまで民事的なルールですので、違反に対する刑罰などはありません。

しかし、いざトラブルになり、民事訴訟となったときには、この「労働契約法」を遵守していたか否かが、裁判において有力な判断材料とされることになります。

事実、「労働契約法」は、長年にわたる労働判例の積み重ねによって確立された“判例法理”を、わかりやすく条文化したものとなっております。

この法律を知っておくことが、今後、無用な労働トラブルを防止することになるし、いざ起きてしまったときも迅速な解決へと導くことになるでしょう。

ということで、次回からは、「労働契約法」を逐条的に、取り上げていこうと思います。

乞うご期待! ( ^ω^ )

2009年2月 8日 (日)

“社労士モリの情報局”を開設~~!!

新規に、“お仕事系”のブログを開設することにしました。

このブログでは、社会保険労務士として、日頃、数多くの中小企業の労務管理をコンサルする中で、また、社労士受験生を指導する中で、もっと世の皆様方に知っていただきたい情報を、発信させていただくものです。

社労士という仕事柄、自ずと「雇用・人事・労務」関連の情報が中心となります。

中味は、

法改正(労働法令、社会保険諸法令など)

雇用保険関係の助成金・奨励金

“やさしい労働法の解説”

などの情報を中心に、随時、掲載・更新していく予定です。

企業の経営者の皆さんだけでなく、社労士受験生の方も必見です。

乞うご期待!!

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